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NEWS 【実務指針案】「財務報告に係る内部統制の監査に関する実務上の取扱い」の公開草案が公表される。
詳細はこちらにて
7月18日、日本公認会計士協会より「財務報告に係る内部統制の監査に関する実務上の取扱い」の公開草案が公表されました。
8月13日まで公開草案についての意見を募集しています。
監査人向けの内容ではありますが、監査人の監査意見の判断の元になる実務指針ですので、J−SOXプロジェクト担当者の方は必見となります。

例えば、
「・・・また、一般的な事業会社以外の会社で連結損益計算書上、売上総利益を開示している事業会社においては、売上総利益に影響を与える勘定科目を「事業目的に大きく関わる重要な勘定科目」とすることを検討するほか、売上総利益を開示していない業種においても営業費用に占める人件費の割合が高いサービス業などにおける人件費、設備が事業資産の大きな割合を占める業種における有形固定資産などを「事業目的に大きく関わる重要な勘定科目」と経営者が判断することが考えられる。・・・」

この例示は実施基準では示されておらず、実務指針で初めて言及されました。

ただし、ここで人件費を含める理由は何かということを冷静になって考える必要があるでしょう。

例えば卸売業において売上高、売掛金、棚卸資産を評価対象とし、それなりの売上構成比となり、また金額的重要性も高い販売費および一般管理費の人件費を評価対象としないということは、人件費に係る業務プロセスの虚偽記載リスクが低いと判断したからです。

したがって、人件費の割合が高いサービス業であっても虚偽記載リスクが低いと判断すれば含めなくてもよいという理屈になるはずなのですが、設備が事業資産の大きな割合を占める業種における有形固定資産の場合と同様、ここでは「事業目的に大きく関わる」といった「コア・コンピタンス」的な発想が取り入れられています。リスクアプローチの観点から考えると違和感を覚えませんか?

人件費であれば、サービス残業代の簿外債務化が最もリスクが高いのではないでしょうか。でもそれはサービス業に限った問題ではありませんし…。架空人件費も同様です。

ともあれ、監査人の「感覚」から粗利益までは含めておきたいといったところでしょう。「経営者が判断することが考えられる」としているところに、強制ではないものの、評価実務を誘導しようとする意図が感じ取れます。

あとは人件費プロセスや有形固定資産プロセスのうち、どのレベルまで文書化するかそこがポイントになりますね。販売プロセスのように、考えられるすべてのサブプロセスついて詳細に文書化を行う必要はないでしょう。初めから想定リスクをいくつかに絞り込んだ上でそれに関連するフローチャートと業務記述書を逆算して作っていくイメージです(変な感じですが、リスクが高いと認識していないものを無理やり入れるとなると時間を極力かけないためにはこうした手法になってしまいます)。
例えばこの結果、売却プロセスを捨てるケースもあるかもしれません。

この他にも注目すべき例示がいくつかありましたので、随時当HP上で解説を行っていければと思っています。

[2007/07/19]

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